影をひろいあつめて

毎日一言日記

寂しくない8

 ペパーミントみたいなあなたが適当な事をいうので、わたしはまるっきり狂ってしまって餃子を食べる旅に出た。外は大雨で傘なんか持たずに一年前のわたしなら出かける。扉を一つ開ければ心がネオンの街に出る。大きなビルとビルの隙間の子汚いシャオツーで海老餃子をつつくのが好きだ。タバコの煙で目が染みる狭い店内でハゲたリーマンが延々と愚痴を言うのを聞いていた。文句を言いたくなる気持ちが理解できてしまう。世の中には理不尽な出来事がたくさんあるのだ。


 変わらないものはない。それはただの観測で、それは必ずしも正しくはないかもしれない。馬鹿みたいに騒いで往路をかけた日に曖昧な約束をした。それが果たされなかったとしても片隅に約束を残せたことはとてもかけがえのない事のように思う。


 店員は何度来てもまるきり愛想がない。
「要一个青島」(チンタオ1つ)「知道了」(はいよ)、それからやる気のない様子でビールを届けてくれた。